●資料 ◆5巻目次 ◆人物紹介 ◆工房図 |
『小さな世界の物語 5巻』について、もうちょっとご紹介しましょう。ここではほんの少しだけ、部分的な立ち読みができます。左のメニューで見たいところを選んでください。
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◆第九話「無くした望み」より抜粋 「そこだよ」 ふと、ヘルモークが穴を指し示した。 セリフィアが近づくと、どこから出てきたのか、ローブをまとった男が現れた。これがヘルモークの言っていたゴーストだろう。なるほど、邪悪には見えない。 ラクリマは、彼の胸に致命傷があるのに気づいた。刀傷のようだった。 亡霊は、ゆったりと口を開いた。 「ようこそ我が工房へ。私はここの主、ダーネル=リッシュオット」 アルトはその名前を一所懸命思い出した。確か、サーランド時代中期の大魔術師だ。恵みの森で怪物の研究と育成をしていた……そこまで思い出せたので、そっと周りに伝えた。 「招かざる来客以来、幾年月経ったことか……」 ダーネルと名乗った亡霊は、そう言って視線を宙に彷徨わせた。 「我が工房は変わり果ててしまったが……そなたらに頼みたいことがある。我はどうも死んでしまったようだ。こうしてゴーストとなっているのだからな。だが、何が未練かわからない」 (何が未練かわからない!?) 自分のことなのに、と、カインは思った。 「我が未練を明らかにし、我が魂をこの地の縛めより解放せよ」 どうやら遺体を埋葬してやる程度では、話がつかないらしい。迷宮を探査しながら、この男の「未練」探しをしなければならない。こいつは結構、厄介かもしれないと、全員がぼんやり思ったようだった。<続く> ◆第十話「工房の日常」の抜粋は、仕様により省略させていただきます。文庫でお楽しみください。 ◆第十一話「偽りの真実・真実の過去」より抜粋 ◆間奏「奇蹟の準備」より抜粋 |
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