●資料
 ◆6巻目次
 ◆人物紹介
 ◆市内地図

●本文抜粋
 ◆第12話より
 ◆第12話より
 ◆第13話より
 ◆第13話より

『小さな世界の物語 6巻』について、もうちょっとご紹介しましょう。ここではほんの少しだけ、部分的な立ち読みができます。左のメニューで見たいところを選んでください。
第十二話「集いし四組〜前編」より抜粋

「……死んでる!」
 占い師は事切れていた。きっと自分のせいだ、と、Gは思った。人間には許されない領域に踏み込もうとしたから───。
「逃げるぞ」
 いきなりカインの声がして、次の瞬間には、彼に抱え上げられていた。
「何するんだ、カイン! ヒトが死んだんだぞ! 下ろせ!」
(ヒトが死んだから逃げるんだろうが!!)
 暴れるGを力で押さえ込み、カインは脱兎の如くその場を逃げ出した。
「止まれ! 何で逃げるんだ、何も悪いことしてないのに!!」
 仮令【たとえ】悪いことをしていなくても、人死にのあった場所にいるだけで面倒ごとに巻き込まれるのは、目に見えていた。「青龍」亭まで、カインは息もつかずに走りきった。
<続く>

第十二話「集いし四組〜前編」より抜粋

「おいおい、物騒だな。女の子一人に大の男が5人がかりとは」
 審問官ムアトの後ろの路地から、一人の戦士が現れた。「ガラナークの男は女性に対する礼儀を知らんと見える」
「余計な口を出さないでもらおう。そなたには関わりないこと。我々は神の使徒、神の御名において大義を為すため、この者を捕らえねばならぬ」
 現れた戦士は不敵に笑うと、
「大義も何も知ったことか。ここはフィルシムだ。フィルシムの流儀に従ってもらうぜ」<続く>

第十三話「集いし四組〜後編」より抜粋

 エリオットは何やら考えるようにしていたが、やおらGを向いて宣言した。
「今度は友だちとして贈り物させてもらうよ。さっきの指輪は先走りすぎた」
 こいつ、いい奴だな、と、Gは再び思った。それでずっとにこにこしながら、エリオットとの会話と食事を楽しんだ。
 コースも終了したところで、エリオットはナプキンを使うと立ち上がった。
「楽しいひとときを過ごすことができた。では私はこれで失礼させてもらうよ」
「エリオット」
 Gの声に、エリオットは振り向いた。
「一つ聞きたいんだけど、エリオット、私を好きなのか?」
「当たり前だろう!!」
 エリオットは叫ぶように答えた。それからGを真っ直ぐに見たままきっぱりと言った。
「好きでもない相手に交際を申し込むのは失礼だ」<続く>

第十三話「集いし四組〜後編」より抜粋

 すでに夜に近い時間だったが、緊急事態ということで、衛士たちが松明を持ち、篝火をがんがん焚いて辺りを隈無く照らしていた。その明かりの中に、最初、パープルワームの姿はなかった。が、前方の地面がめくれたかと思うや、砂に隠れていた巨体がむっくり起きあがり、一行めがけて這いずりだした。<続く>


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