「G、君はこのあとどうするんだ。予定はあるのか?」
「いいえ! 私、行くところありませんから!」
聞かれた内容はあまり考えていなかった…ただ、できるだけ元気に、そう応えた。
強がりでも強がれるうちは強がっておきたい。
行くところも帰るところも…本当にどこにもなかったとしても。
「君も一緒にやらないか?」
「何をですかぁ?」
「ハイブ退治さ」
「はいっ!」
私はおもわず大きな声をあげた。
胸が大きく鼓動を始める。
その日私に「いくところ」と「いるところ」ができた。
(『Gdex』より ◆ 2002年初出)