「私」で書こう

■論文中の一人称について

 論文を書いていると、どうしても一人称が出てきてしまいます。一人称とはたとえば、「私は日本人です」「俺はこう考える」「僕は背が高い」というような、話し手自身、書き手自身を表す人称です。
 まぁ、論文の場合、一人称を全然出さずに書くことも実は可能なんですが、たぶんそれは難しいと思うので、使うことを想定しておいた方がいいでしょう。

 この一人称ですが、「僕」とか「俺」とか「あたし」「拙者」「妾」「儂」「あちき」等々と書いてはいけません。
 必ず「私」で書くようにしてください。

 「どうして?」と聞かれると困るのですが‥‥。
 実は私自身もこれに関しては明確な答えを得ていないのです。
 ただ、「私」以外の一人称は、プライベートな要素として認識されてしまうのだと思います。プライベートな文章として認識されるということは、「論文」よりも「エッセイ・感想文」に近いものとして認識されてしまうということです。

 もっと説得力のあることを言っておきましょう。
 「私」以外の一人称を使用していると、点数が引かれることがあります。私も模試の採点や夏期講習のテスト添削で、「僕」や「あたし」等の表記をマイナス要因として数えたことがあります。
 すべての場合にそうであるとは限りませんが、だれが相手ならマイナスにならないのかがわからない以上、すべての小論文について「私」以外の一人称は使わないようにするべきでしょう。「私」を使っていれば、だれが相手であろうと減点されることはないからです。

 ちなみに、「あたし」と違って「わたし」は減点されないだろうと思いますが、「私」に比べて2字も多いので、はっきり言ってこちらを使うのは「字数の無駄遣い」です。それゆえ、他の一人称とは違う理由から「わたし」も使わない方がいいでしょう。
 やはり一人称は必ず「私」で統一してください。

2002.5.3

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