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2012年11月の定例講座
植民地時代クスコ・ティティカカ湖地域のキリスト教聖堂装飾
講師:岡田 裕成先生(大阪大学大学院 准教授)
2012年11月17日(土) 東京外国語大学本郷サテライト 5Fにて
16世紀初頭にスペインがインカを平定した後、如何にして先住民を統治していくか、キリスト教へ改宗させるかについて様々な方策が取られました。先住民の統治手段の一つとして、先ず植民地都市の建設と視覚的景観の改造が行われ、ティノチティトランの神殿やクスコのコリカンチャ神殿等が破壊され、その上にスペイン風建造物が建築されました。ヨーロッパ人は過去にイスラム教徒を改宗させたノウハウをもっており、この方法を新大陸にも適用しました。侵略は軍事力だけではなく、魂の侵略も重要であることを良く知っていました。
先住民に礼節をわきまえさせ、キリスト教の布教や徴税の効率化を図るための手段として、南米ペルー副王領では1570年頃から先住民の集住化が進められました。集住化は、聖堂を中心としてスペイン人や先住民の住居を配置して建設されたもので、レドゥクシオン(集住区)と呼ばれ、16世紀から17世紀初頭にかけ、リマ、クスコからポトシにかけて1000箇所以上も建設されました。初期のレゥドククシオンに建設された聖堂は、アドベで造るため壁が厚く、窓が小さいため内部が暗く、大きな壁面は壁画で装飾されました。
この壁面を飾る壁画が、文字を読めない先住民の改宗に役立ちました。壁画は地獄の恐ろしさを描いて先住民に恐怖を与え、今の邪教を信じていると地獄に堕ちることを絵や説明文字で示しました。このような脅かし壁画は、クスコ周辺から、チチカカ湖周辺のボリビア地方に数多く残されています。先住民は当初、一方的にプロが描いたイタリア風の壁画を見せられるだけでしたが、やがて壁画の制作や資金の提供にも関与し、最後は壁画を流用して自分達とヨーロッパ人を対比させて自己主張を行いました。
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*受講には申し込みが必要です。詳しくは入会案内をご覧ください。
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