古代のアンデス文明およびマヤ文明を研究する同好会

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2005年2月の講師
八杉佳穂 国立民族学博物館教授

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andes@r5.dion.ne.jp

2005年2月の定例講座

ことばから古代を再構する
講師:八杉佳穂 国立民族学博物館教授

2005年2月19日(土)
東京外国語大学本郷サテライトにて


現在生き残っているマヤ種族の言葉、マヤ諸語は、種族によって約30種ありますが、日本語や英語等の馴染みの言葉と大分違っています。例えば「声門閉鎖音」という発音があるし、文の最初に動詞が出てくる言語です。

講義の第一部は、各マヤ種族を調査して、手とか顔等の基礎単語が現在どう書かれ、発音されているかを調査した比較語集から、19世紀後半に確立した「比較言語学」を用いてマヤ諸語がどのような変化を辿ったかを推測し、元になった「マヤ祖語」を推測するものでした。

比較言語学では、経験的に1000年経過すると、言語の約20%が変化するそうで、難しい書き方や発音を優しくする方向に変化するそうです。例えば、高地の言語ではqの難しい発音があるのに、低地ではkに変わっているといいます。

講義の第二部は、中米の原住民の言語文法が、どのように違っているかを調査した比較表から、文章・句の変化を調べ、文法的にも各諸語が、どのように違い、どのように変化してきたかを推察するお話しでした。マヤ語は、ほとんどが動詞が先に来る、VOS(動詞+目的語+主語)の形式で、動詞が重要な意味を持つ動詞句であり、ここに主語や目的語を修飾する要素が入っているようです。

   

八杉佳穂編『マヤ学を学ぶ人のために』世界思想社 206〜228頁
「ことばの研究―マヤ諸語の特徴」が参考になります。



次回3月19日(土)は杓谷茂樹南山大学講師による
マヤの神話的世界:ポポル・ブフを中心に


*受講には申し込みが必要です。詳しくは入会案内をご覧ください。