Welcome to the Andes World!
2006年9月
特別公開講座の講師
関野 吉晴 先生 探検家、医師、武蔵野美術大学教授
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アンデス文明研究会特別公開講座リポート
9月のアンデス文明研究会・特別公開講座が下記の要領で開催されました。
(1)アンデス東斜面に住む人々
(2)アンデス、ヒマラヤ、エチオピア
―世界3大高地に住む人々の暮らし・その類似性―
講師:関野 吉晴 先生
探検家、医師、武蔵野美術大学教授
2006年9月23日(土)
東京外国語大学本郷サテライトにて
今回は主にペルーアマゾンのマチゲンガ族、全体で5000人程いる中でも、1973年から約30年間交流を続けて来られた外とは隔絶した特別な地域に住む二家族との様々な体験をお話頂けました。
私達からしたら信じられない事に彼等には名前がないそうです。結局先生が名付けたそうですが、数字も3までしかなく、年齢もはっきりしません。4以上はたくさんで済ますとの事です。でも、先生は彼等と交流して行く内に少人数での生活ではそれで充分なのだと感じたそうです。
更に、私達と違う所は自然との距離だと言われました。彼等は狩猟と焼き畑農耕で生活し自然と密着しています。たくさんのペットを飼い、森で得られる材料から住居や道具を作ります。彼等の周囲には素材のわからないものはありません。それに比べると私達の周囲は素材のわからないものばかり。都市に住む人間は彼等と真逆の生活をしているのです。
焼き畑は、特にアマゾンのような土地の貧しい所では理に適った農耕です。彼等の行う焼き畑は土に直射日光が当たらないように伐採し自然と同じように様々な作物を混植するのです。この方法は生態学者も唸るくらいだそうです。問題なのは大規模農耕後の砂漠化です。現在大きな問題になっているのは日本にも輸出されている植物油脂をとるための大豆の大規模栽培だそうです。
焼き畑で得られるのは蓄える事の出来ない作物です。先生は蓄えられる社会と蓄えられない社会で考え方が全く変わってくるのではないかと仰っていました。彼等は効率を優先させず、時間を気にする事なく生活し、今を楽しんでいます。先生はこれを、生き甲斐がないと表現されました。悪い意味ではありません。蓄える事をしない彼等は今を存分に楽しんでいるのです。平等に獲物は皆で分け合い、道具等も必要な人にまわします。物を抱え込むケチな人は嫌われます。先生は日本の真裏ではそんな生活をしている人々も存在している事が素晴らしい事だと感じておられるそうです。
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