古代のアンデス文明およびマヤ文明を研究する同好会

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アンデス文明研究会特別公開講座リポート
9月のアンデス文明研究会・特別公開講座が下記の要領で開催されました。

人類史 運命の分かれ目:旧ネアンデルタールとホモ・サピエンスの交替劇
講師:赤澤 威(高知工科大学教授)

2009年9月19日(土)
東京外国語大学本郷サテライトにて


利便性のみを追求する今の世の行く末はどうなるのか。消えて行った化石人類を調査することで、過去にどのような歩みを経て現在に至ったかを探ることができる。我々の祖先・ホモ・サピエンスとネアンデルタール人との交替劇の真相の中に、今後の歩みへのヒントがあるのではないか。
700万年前、アフリカでチンパンジーから枝分かれした時から、我々の祖先は歩き始めた。進化の道は一本道ではなく、枝別れの繰り返しだ。その中で、消えていく者が旧人と呼ばれ、生き残った者が新人として登場する。実は、この両者の交替劇の繰り返しこそが人の進化の実態である。
交替劇の最後、直近の舞台に登場したのが、消えていく運命の旧人ネアンデルタール人と、新世界を演出するであろう新人・ホモ・サピエンス、すなわち我々の祖先である。ということは、今の我々は次なる交替劇では旧人となり、新しく現れる新人に取って替わられることもあるのだろうか?幸いなことに、ホモ・サピエンス一種のみ存在している現在、我々に取って替わる新人の候補者はいないとみられる。しかし未来永劫生き続けるという保証もない。今は我々の行く末は不明であるとしか言えない。
20万年前、ヨーロッパにネアンデルタールが誕生、時を同じくしてアフリカで新人類が誕生した。そして、10万年前にはホモ・サピエンスがアフリカ脱出を遂げ、その一派がヨーロッパ大陸に移住した。そこにはすでにネアンデルタールの王国とも言える世界が存在していた。この異人種がクロマニオン(入植者)と呼ばれ新人類の代名詞となった。このとき先住民と入植者の間に何が起こったか定かでないが、結果はネアンデルタールが消滅し、ついには絶滅した。
だが、問題は、なぜ新人のクロマニオンに軍配が上がったのか。両者の命運を分けたものは何か。これまで我々人類はどのような存在であり、どのように進化してきたのかである。その問いの答えを探ることが今の最大のテーマである。


次回2009年10月17日(土)は根本和洋先生(信州大学助教)による
アメリカ大陸の栽培植物アマランサスの利用


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