古代のアンデス文明およびマヤ文明を研究する同好会

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2010年2月の定例講座

アステカの神話と儀礼
講師:井関睦美 慶應義塾大学文学部助教

2010年2月20日(土)
東京外国語大学本郷サテライトにて


メキシコの古代文明について、私たちはもっぱら「アステカ文明」という名称で親しんでいますが、これは後世の研究者たちが、ナワ人の伝説的故郷「アストラン」にちなんでつけた名称です。「ナワ人(族)」とは、古典期終末期から後古典期に、メキシコ北部から移住してきた民族であり、その中でも特にメキシコ高原に最後に移動してきた人々を、「メシーカ人」と呼びます。このメシーカ人こそ、現在のメキシコ・シティがある土地に主都テノチティトランを築き、主神殿テンプル・マヨールを建てた人々です。
 
メシーカの民族史は、大きく「神話時代」(神々による創世)、「伝説時代」(神々と人間との関係)の< 1流浪の時代>と<2王朝の始まり>、「歴史時代」(王朝史と帝国の拡大)に分けられます。テンプロ・マヨールでは、彼らの歴史上のエピソードを再現する人身供犠が日々行われ、メシーカ族の反対勢力に対する勝利をアピールしていました。また、この人身供犠は、メシーカ族の部族神ウィツィロポチトリこそ、犠牲を受け取る「太陽神」であるという観点を強調するものでもあったのです。メシーカ族の歴史を学びつつ、改めて現代の私たちにとっての歴史の意義を考えてみたいものです。


次回2010年3月20日(土)は青山和夫先生(茨城大学人文学部教授)による
環太平洋におけるマヤ文明の環境文明史


*受講には申し込みが必要です。詳しくは入会案内をご覧ください。