古代のアンデス文明およびマヤ文明を研究する同好会

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2011年6月の定例講座

人類文明史における先史アンデス
講師:加藤泰建先生(埼玉大学副学長)

2011年6月18日(土)
東京外国語大学本郷サテライトにて


 新大陸の発見と征服が“グローバルな拡散”を引き起こして、現代社会の枠組みを作ったといっても過言ではない。インカ帝国の研究を通して現代のグローバル社会のスタートを考えることは人類文明史における先史アンデスを捉える第1の視点と言えるだろう。しかし一方で、既存の文明発展モデルを見直すためにも先史アンデス研究は重要な役割を果たすことができる。

 文明の発展モデルとして影響力が大きいのはメソポタミア型の文明発展モデルだろう。まず初期農耕と家畜の飼育が始まり、定住農耕村落が成立する。人口が増加し、都市が形成され、都市国家、統一国家へと変化し、王国、果ては帝国というように文明は発展していくというものだ。あたかもこの発展モデルに古代文明がおおよそ沿っているかのように思われてきたが、古代文明と呼ばれる地域を7つ挙げて比較した結果、実際にはそれが当てはまらないものが大半だといえる。アンデス文明においてはそれぞれが不連続でありながら、初期農耕村落が発生、都市の萌芽的形態が生まれ、祭祀センターを中心とした社会を形成、その後王国や統一国家が出現する状況にある。

 近年の調査により明らかになった先史アンデスの事例から、人類文明史における「都市の形成」は重要な意味があるという見通しが立ってきた。そのことから、今までの「文明の前段階」としての形成期を再検討し、「都市の萌芽的形態から広域型神殿の形成と展開・帰着までを一連のプロセスとした古代文明」として形成期を考える必要がある。さらに16Cに栄えたインカ帝国を"古代"文明と呼ぶことも問題である。そのため前3000年〜前250年までをアンデスの古代文明と呼び、400年近い断絶を経て後200年〜1530年をアンデスの国家展開の時期と新しく設定するのが妥当だ。


今後の講座予定:
2011年11月5日(土)は2011年3月19日(土)の振替講座、杓谷茂樹先生(中部大学教授)による
太陽と月になった双子の神について・マヤ神話「ポポル・ウーフ」から

2011年10月15日(土)は、染田秀藤先生(関西外国語大学教授・大阪大学名誉教授)による
先住民クロニスタ、グァマン・ポマのしたたかさ 〜「インカの反乱」をめぐって〜

2011年7月16日(土)、8月20日(土)、9月17日(土)には公開特別講座が予定されています。



*受講には申し込みが必要です。詳しくは入会案内をご覧ください。