古代のアンデス文明およびマヤ文明を研究する同好会

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2013年2月の定例講座

ティカル調査の現状と課題
 −金沢大学「北のアクロポリス・プロジェクト」の現状

講師:中村 誠一先生(金沢大学人間社会研究域附属 国際文化資源学研究センター教授)

2013年2月16日(土)
東京外国語大学本郷サテライト 5Fにて


 グアテマラにはマヤの遺跡が約5000ヶ所あると言われますが、発掘調査されているのは約40〜50ヶ所で、残りの99%が未調査の遺跡とされています。ティカル遺跡は、グアテマラ、ペテン県のほぼ中央にあるフローレスのマヤ世界空港から北へ64km行った所にあるマヤ古典期最大の都市で、その周辺を含めた576平方kmが「ティカル国立公園=世界複合(自然・文化)遺産」であり、「マヤ生物圏保護区」の中核地帯になっています。

 日本は、中村先生のご努力で、外務省の文化無償資金協力によってティカル国立公園内に「文化遺産保存研究センター」を建設し、2012年7月6日にグアテマラ大統領出席のもと、引き渡しの式典が挙行されました。また、国立金沢大学は、グアテマラ文化スポーツ省との間に「交流協定及びティカル・プロジェクトに関する覚書」を2011年6月に調印し、2月4日から学長御一行がティカルを訪問され、金沢大学として「文化遺産保存研究センター」の近くに「金沢大学研究拠点」を開設し、グアテマラ側と協力してティカル遺跡の「北アクロポリス・プロジェクト」を始動する事になりました。来年度から先生と大学院生3〜4人が交代で現地に駐在し、最初に北アクロポリスの5D-35(7世紀頃?の建造物で、床に陥没部あり)の調査や修復計画の立案をする事になりました。またペンシルバニア大学の作製した遺跡地図は水平で十数m、垂直で40mもの誤差があるので、測量基準点を作り、遺跡の地図も作り直す予定です。また、学長御一行はホンジュラスのコパンも訪問され、ホンジュラスの国立人類学歴史学研究所との協力協定を締結し、今後グアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドル3国間の遺跡マネージメント研究の広域展開を支援する予定です。



*受講には申し込みが必要です。詳しくは入会案内をご覧ください。