古代のアンデス文明およびマヤ文明を研究する同好会

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2013年3月の定例講座

ホンジュラスにおける近年の考古学調査の動向
 −エル・プエンテ遺跡を中心に

講師:寺崎秀一郎先生(早稲田大学 文学学術院教授  院長補佐)

2013年3月16日(土)
東京外国語大学本郷サテライト 5Fにて


 日本における代表的な中米、先スペイン期の考古学は、1984年からの青年海外協力隊派遣事業による、ホンジュラスの「ラ・エントラーダ考古学プロジェクト(PALE)」から始まりました。このプロジェクトは有名な「コパン遺跡」の北東のフロリダ谷、ラ・ベンタ谷に広がる150平方kmのセトルメント・サーベイで、第一次フェーズ(1884〜89)、第二次フェーズ(1990〜93)で約700箇所の遺跡が発見されました。第二次フェーズでは、これらの遺跡の中で大きなものを国立遺跡公園化する活動がなされ、遺跡の中で一番高い12mの建造物があり、道路事情も良い「エル・プエンテ遺跡」を公園化する事になりました。(PALE)解散後も海外技術協力隊とは異なる、日本とホンジュラス間で研究協力体制が組まれ、「コパン統合保存プロジェクト(PICPAC)」では、コパンの南東壁のコルテ崩壊の修復等が行われましたが、その後発展的に「コパン考古学プロジェクト(PROARCO)」に名称を変え、中村誠一氏による「コパン遺跡」外れ、10J-45にあった王墓発見へと繋がりました。それ以降も、(PROARCO)と早大の比較考古学研究所とが協力し、日本が海外発展援助のためにプールしてある「ノンプロ資金」によって日本の技術提供を行う協定を結んで発掘・調査活動を続けています。

 「コパン遺跡」の神殿26の神聖文字の階段の中の建物(チョルチャ)の中の墓から12個体の人物像型香炉が出土しましたが、「エル・プエンテ遺跡」の建造物1- Sub(埋蔵建造物)からも1994年に高さ60cm位の人物像型香炉蓋を先生が発掘しました。「コパン遺跡」の人物像型香炉蓋と同時期(7世紀後半)に作られたものと考えられます。現在「コパン遺跡」の人物像型香炉蓋と「エル・プエンテ遺跡」出土の人物像型香炉蓋を比較していますが、後者の香炉は在地の模倣品ではなく、コパンで作られたと思われます。また、出土状況から香炉本体と蓋とは別々に出土しており、人物像型香炉蓋は単体で用いられることもあったようです。



*受講には申し込みが必要です。詳しくは入会案内をご覧ください。