古代のアンデス文明およびマヤ文明を研究する同好会

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アンデス文明研究会特別公開講座リポート
8月のアンデス文明研究会・特別公開講座が下記の要領で開催されました。

アンデス高地のクランデーロの現在:クスコにおけるケロ村の人々
講師:岡本年正先生(東京大学大学院)

2013年8月3日(土)
東京外国語大学本郷サテライト


 アンデス高地(クスコ都市部)における民間信仰(民間医療及び呪術)について報告する。これは執り行う人(クランデーロ)とそのもとを訪れる人、そしてそこにおいて必要とされる物品を扱う人より構成される。民間信仰の儀礼の場で必要とされる物品を扱う呪物店の店主は民間信仰の知識を人一倍有しているため、呪物店は知識のアーカイヴと言える。また、呪物店は民間信仰におけるヒト・モノ・カネのネットワークの結節点でもある。

 アンデス高地の民間信仰はアニミズム(山、大地、大きな岩ワカ等に対する畏怖と敬虔の念)であり、カトリックとの融合が特徴である。 民間信仰の日常活動は、クランデーロ不要のことと必要とすることに大別される。前者は色と願いが一致した蝋燭を用いた願掛け、香を焚くなどであり、後者は大地への返礼儀礼などである。

 クランデーロはアンデス高地の民間信仰での中心的実践者である。その活動は、コカの葉などを用いた占い、各種儀礼(民俗病の治療儀礼の執行など)である。クスコ都市部でのクランデーロは都市部在住者とクスコ外からの一時的移動者からなる。後者の例としてケロ村のひとびとが挙げられる。

 ケロ村は、アンデス山中深いところにある村である。伝統的に牧畜農耕民で自給自足的生活を送っているが、近年は金の採掘、コカ栽培労働、クランデーロとしての活動を行い、現金を獲得して生活している。クスコの人々が伝統的にもとめるクランデーロ像とケロ村のひとびとが実際に行っている活動には乖離・不一致がある。この現状をひとびとの実生活における経済活動という観点から一層の分析を行っていきたい。



*受講には申し込みが必要です。詳しくは入会案内をご覧ください。