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2014年3月の定例講座
マヤ文明の盛衰と環境文明史:
グアテマラ共和国セイバル遺跡と近隣湖沼の調査 講師:青山和夫先生(茨城大学教授)
2014年3月15日(土) 東京外国語大学本郷サテライト
文科省プロジェクト「環太平洋の環境文明史」は、環太平洋の諸文明の盛衰と環境変動の相互関係を解明する目的で実施され、環境文明史という新たな学問領域が開かれました。
福井県の水月湖の年縞堆積物のデータから、過去52,800年までの年代測定の「ものさし」が確立されたのも一つの成果です。
また、各非西洋的社会が、変化する自然環境の中で長期間にわたり持続可能な社会を維持してきたことが証明されました。この成果の一つとして、2013年から高校の世界史で「四大文明」という語りがなくなり、マヤ文明の記述(山川世界史B)も「4世紀から9世紀」から「前1000年ごろから16世紀」に修正されました。
2005年に開始したセイバル遺跡の日米共同発掘調査では、地下10m以上の自然地盤までの大規模で精密な発掘調査と、C14による詳細な編年の結果、マヤ文明の公共祭祀建築の建設は従来の学説より200年早く、前1000年頃であったと判明しました。
先古典期中期から盛んに公共建設が繰り返され、前9世紀には神殿ピラミッドが形成されていました。
出土品から先古典期中期のマヤ人は東西南北や神聖数字の概念を持っていたこと、頭蓋変形された人骨から生まれながらの支配者層が既に存在してこと、前5世紀には既にマヤ文字が使用された可能性があることなどが分かりました。
セイバルは5世紀に衰退に向かい、9世紀には2度目の繁栄期を迎え10世紀に衰退しています。神殿ピラミッドや王宮が破壊儀礼を受けた痕跡があります。
マヤ低地南部では古典期終末期の8世紀に総人口がピークに達し、森林の減少、農業の圧迫、食糧不足により、戦争が頻発するようになり、衰退が進みましたが、都市国家の諸王は自らの権威を正当化し、神々の助けを乞うため巨大神殿ピラミッドを建設、更新し続けました。
セイバル近くのペテシュバトゥン湖で年縞が採取されました。今後マヤ低地の環境変動、古典期マヤ文明の衰退の解明に大いに貢献すると期待しています。
マヤ文明はスペインに破壊されましたが、マヤ地域では統一国家がなく、多様な国家が共存していたので、全体として「崩壊」することはありませんでした。現在も800万人のマヤ人が30のマヤ諸語を話し、地球の反対側で力強く生き続けています。
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